(匿名希望 男性 45歳 派遣社員 新潟県)

 

元手が限られている私はハイリターンの投資先を探していました。

そうかといってFXは怖くて手が出せませんでした。FXを仕込んで一晩眠ったら、翌朝に900万円が消えていたというサラリーマンの体験談をテレビで見たことがあります。

株式の信用取引や先物取引も恐ろしいイメージがありました。漫才師のかつみさゆりが3階建ての信用取引に失敗して2億円の借金を作ったと、テレビで自ら語っていました。

ネットで「ハイリターン 投資」のキーワードで検索をかけていると、楽天投信投資顧問の「楽天日本株トリプル・ブル」という投資信託に行き当たりました。

日経225先物に連動する投資信託なのですが、その連動の仕方がすさまじいのです。

日経225先物価格が1%上昇すると基準価格が3%上昇するのです。つまり日経225先物価格の動きの3倍の動きをするという投資信託です。

日経225先物の価格はほぼ、日経平均と同じ動きです。日経平均であれば投資初心者の私であっても毎日テレビで目にしていましたので馴染みがありました。

日経平均が今後上がるか下がるかという予測であれば、自分にもできそうな気がしました。

私はこの楽天トリプル・ブルを購入することに決めました。

購入価格は貯金の9割にあたる800万円でした。購入時の手数料として3.24%必要ですので、26万円ほど支払いました。

購入手数料だけこんなに取るのかとも思いましたが、その値動きの大きさからしてそのくらいはすぐに取り戻せるだろうと思っていました。

トリプル・ブルを購入してから、日経平均株価が上がるか下がるかが気になって仕方のない生活が始まりました。

日経平均が上がればトリプル・ブルが大幅に利益を生み出し、日経が下がれば大きな含み損を抱えるのですから当然です。

こんな商品に手を出す自分はどかしていると思う反面、ギャンブルをしている自分に酔っている部分もありました。

大きく損をするリスクがあるということも十分理解をしていつもりでした。

しかし実際のところ、私の頭の中は800万円が2倍にも3倍にも増えるイメージで大半を占められていたのです。

しかし、現実は無常でした。

39,000円弱の基準価格で購入したトリプル・ブルは、2ヵ月後に19,000円弱になりました。

そこが私の我慢の限界でした。全てを売り払いました。

購入時の手数料と合わせて430万円程の損失が確定しました。

私はギャンブラーではなく、ただの無鉄砲でした。

ハイリスクは承知の上でハイリターンの商品を選んだつもりでした。

しかし、ハイリスクが現実のものとなると耐えきれず逃げるしかありませんでした。

でも、このまま終わるつもりはありません。

日経平均が下がりきったタイミングを見計らって、また楽天トリプル・ブルで勝負に出るつもりです。430万円は必ず取り戻してやります。

 

過激度合を増すハイリスク・ハイリターンの投資信託

【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

投稿者の匿名希望さんが購入された「楽天日本株トリプル・ブル」は、投資信託の中ではトップクラスのハイリスクな商品です。

ハイリスクな投資信託には、以下のようなものもあります。

「SBI日本株3.7ブル」・・・基準価格が日本株の値動きに対して概ね3.7倍の動きをする。

「楽天日本株4.3倍ブル」・・・基準価格が日本株の値動きに対して概ね4.3倍の動きをする。

かつて、ブル型投資信託といえば2倍の値動きをするものが主流でした。しかしそれに飽き足らない個人投資家たちの要望に応える形で、さらなるハイリスクのブル型商品が誕生していきました。

投資で大きな損失を抱えたとしても、これらのハイリスク・ハイリターン商品を購入すれば一発逆転できる可能性があるのは事実です。「自分にはまだ『最後の切り札』が残されているんだ」と思えることで、損失に対する絶望感が和らぐかもしれません。

日経平均が1万円から7000円まで下げて損失が膨らんだとしても、その時点で楽天トリプルブルに切り替えれば日経平均が8000円まで戻るだけで損失を取り返すことができます。

切り札というものは、実際に使用しなくても「持っている」という事実が心の余裕を生みます。

ところが人間というものは弱いもので、切り札を早々に使いたくなってしまうものです。

先ほどの例で言うと、日経平均が1万円から7000円に下がるまで我慢できず、9000円程度に下がった時点でこの切り札を使用してしまうということです。日経平均がそこからさらに7000円にまで下がってしまうと、致命的な大損を被ると同時に手元にはもう切り札が残されていないということになります。

ハイリスク・ハイリターン商品は、その存在を心の支えとするのはいいのですが、実際に購入に踏み切るのはおすすめできません。