(ぽん助 男性 38歳 保険関係 熊本県)

 

テレビで中国人の爆買いが騒がれ始めた頃、地方に住むわたしにとってはそのことがあまりピンと来ませんでした。街で中国人を見かけることが無かったからです。

ところが2015年の春ごろから、熊本にも中国人旅行客が押し寄せるようになりました。駅を歩いていると明らかに中国人だろうと思われる集団がぞろぞろと歩いているのを見かけるようになったのです。

中国人観光客が日本に押し寄せているということを肌で感じたのでした。

そのころ、ちょうど私は新たな投資信託の購入を考えていました。それまで他の投資信託を持っていたのですが、含み損が発生していたのでもっと希望の持てる投資信託に買い替えたいと思っていたのです。

投資信託の基準価格上昇率ランキングサイトの上位に並んでいたものの中で、私の目に留まったのが「中国H株ブル2倍上場投信」という投資信託でした。

大量の中国人観光客を自分の目で見ていた私は、中国経済がどんどん潤っていることを実感として感じ取っていたのです。

中国H株ブル2倍上場投信の基準価格はその時、24,000円をつけていたのです。投資信託が売り出されたのは2012年の12月だったので、2年ちょっとで基準額が2.4倍にまで上昇していたのです。

中国の経済成長率が失速しつつあるという認識は私も持っていました。しかし7%近い成長率を維持している先進国などありません。日本やアメリカの経済成長率よりもはるかに高い数字です。

私は100万円だけを手元に残して、残りの財産の1500万円で中国H株ブル2倍上場投信を購入しました。購入時基準価格は24,600円でした。

私は2007年頃から投資信託を見てきたので、投信の基準価格が4万円以上に成長することもあることを知っていました。そして、この中国H株ブル2倍上場投信にはそのパワーを感じていたのです。

ところが私の予想は大きく外れました。

購入した翌週から基準価格が下げ始めました。それまでの上昇の勢いが嘘のようでした。

ハンセン指数の下落率の2倍の勢いで基準価格が下がる商品でしたので、一日に1000円以上下げることもありました。

それでも中国人の爆買いの話題は耐えることなく、中国経済の経済成長率が鈍化しているというニュースは聞きませんでした。

しかしハンセン指数は毎週のように下げ、私の投資信託はさらに価値を失っていきました。

何度も手放そうとしたのですが、そのタイミングでハンセン指数が上昇し、投資信託の基準価格も大きく上昇するのです。そうするとやっぱり持っておこうかなという気になり、結局売れずにズルズルと時が経ちました。

購入から7ヵ月経ち、基準価格が7,000円を切ったところで損切りを決意しました。1070万円の損失が確定しました。

中国H株ブル2倍上場投信のチャートを振り返ると、私は最も高い時点で購入していました。

最近になって中国人の爆買いが収まってきたという話を聞きますが、それが中国経済の衰えを表しているのかどうか分かりません。

中国のバブル崩壊が近いと言われていますので、そのタイミングで今度は中国株を対象とした高倍率ベア投信で儲けてやりたいと目論んでいます。

「中国で損した金は、中国で取り返す。」これが私の投資人生のとりあえずの目標となっています。

 

経済成長率の高い国への投資の誤解

【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

中国の高い経済成長率と経済規模は、投資家として魅力を感じずにはいられません。

ハンセン指数や上海指数といった中国の株式指数が大きく下がることで、世界同時株安になる、ということがこれまで何度も起きています。

日本国内を対象とした株や投資信託で損失を出した個人投資家は、中国やベトナム、インドといった経済成長率の高い国の株を買えば損失を取り戻せるのではないか、と考えてしまうものです。

しかし経済成長率が高いからといって、その国の株や投資信託を買ったとしても、すぐに利益は出ません。経済成長率とその国の株価が比例するというのは大筋では間違っていません。ただしそれは10年、20年、30年という長い期間でのはなしです。

日本も1970年に2千円台であった日経平均が、その15年後には1万円に到達しました。

つまり、10年以上株を保有し続ける、という前提であれば、発展途上国の株を購入する意義は大いにあるということです。

しかし、その間には年間を通して下げる年もあったり、数年にわたって不況に陥るということがあります。

個人投資家はより短期間でより多くの利益を求めるものです。昨日の基準価格より今日の基準価格が上がっていなければ落ち込むものです。基準価格が大きく下がれば手放して他の投資信託に買い替えたいと思いますし、逆に数万円の含み益が出ただけで利益を確定したくなって売りたい衝動に駆られるものです。

経済成長率の高い国の投資信託を購入したい場合は、長期で保有することに耐えられる程度の金額に抑えておくべきです。資産に対する投資信託の額の割合が低ければ、基準価格が上がっても下ってもそれほど気にならず、放置し続けられます。

例えば、2千万円の貯金がおありならば、1割の2百万円程度ならそれほど気にせずに放置し続けられるでしょう。

ただ、投資で重要なことは「年率」という概念です。10年間途上国に投資して資金が倍になったとしても、年間で換算すると7%です。40年ほど前の定期預金の金利程度です。それが投資対象としておもしろいのかと問われると、難しいところです。