(まみたす 40歳 女性 主婦 北海道)

 

松井証券のワールド・リート・オープン(1年決算型)を半年間保有し、52万円の含み損発生。

未だ売却していないので損失は確定していません。

株やFXよりも安定してると思って購入した投資信託でしたが、このようなことになりとても悔しい思いです。

主人には内緒にしています。基準価格が戻ってくるまでは我慢して持っておくつもりです。

 

株よりも塩漬けにされやすい投資信託

【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

「塩漬け」とは野菜・魚介類・肉類などに塩をもみ込み、塩分濃度を高く維持することで雑菌の繁殖を制止し、食物の長期保存を可能にするという、古来からの人類の知恵です。

現代は食べ物を長期保存するには冷凍が一般的ですが、冷凍庫が普及するまでは、人類は塩漬けによって食べ物を保存してきたのです。

塩漬けは、うまみ成分が熟成され、より味に深みが出るというメリットがあります。冷凍保存の場合は味に深みが出ることはなく、冷凍期間が長いほど単純に味は損なわれていきます。

投資の世界において、価値が下がって売るに売れなくなった株を放置することを「冷凍保存」とは言わずに「塩漬け」と表現するのは、「放置している間に値上がりして欲しい」という投資家の切なる願いが込められているからかもしれません。

塩漬けという表現は主に株式に対して使用され、投資信託にはあまり使用されません。投資信託はそもそも長期で保有することが前提となっているためでしょう。

しかし含み益が発生した状態で投資信託を保有している投資家はごく一部です。投資信託を長期保有している人のほとんどが塩漬け状態。つまり値下がりして手放そうにも手放すことができない状態に陥っているのが現実です。

株は長期間保有し続けていると、企業倒産により価値がゼロになってしまうリスクが高まります。ところが投資信託の価値がゼロになるということはあり得ません。だから「安心して」塩漬けにしておくことができます。

購入した投資信託が値上がりして利益が出るといち早く売却して利益を確定したくなりますが、逆に値下がりして含み損が出た場合は元に戻るのを期待して保有し続けたいと思うものです。

投資信託を購入する際に支払っている2%~3%の販売手数料も、売却を渋ってしまう要因のひとつでしょう。販売手数料の支払いは一度きりですので、投資信託の保有期間が長ければ長いほど1年あたりのコストは安くなります。(販売手数料ゼロ円の投資信託も存在します。)

別の投資信託に乗り換える際には新たに手数料を支払わなければなりません。

投資信託が株やFX以上に塩漬けになりやすいのは仕方のないことかもしれません。

また、投資信託は世界各国のありとあらゆる市場を相手にしており、素人には日本株よりも動きが読みにくいものです。

BRICsと呼ばれた新興国の投資信託がブームになったかと思えば、その5年後にはBRICsはダメになって代わりに中国関連の投資信託が高騰しました。リーマンショックでNY株を扱った投信が軒並み急落したかと思えば、5年後にはNYダウは史上最高値をつけ関連投資信託も急回復しました。

世界中の経済情勢を予測することは、素人にとって至難の業です。下手をすれば乗り換えた投資信託がことごとく値下がりして損をし続けるというハメになります。

やみくもに乗り換えるよりは今持っている投資信託を塩漬けにしておいたほうが無難です。投稿者のまみたすさんの考えに私も賛成です。

ただし、最低でも5年以上塩漬けにしておくという覚悟が重要です。

私はこの「5年」という期間が大事だと考えます。経済トレンドは一度方向付けされると3年くらい持続するものです。ところが5年たつと、トレンドが変わります。

5年という期間は案外あっという間に過ぎ去ります。オリンピックやサッカーのワールドカップは4年に1度ですが、すぐに次の大会がやってきます。

投資はある程度経験すれば卒業するというものではありません。一生を通じて付き合っていくべきものです。

人生80年、長ければ100年です。あなたが最後の時を迎えるまでに、世界経済はまだまだ大きな波が寄せては、返します。塩漬け投信が熟成してうまみが出る時が必ずやってきます。