(カネまる 男性 44歳 不動産 大分県)

 

私はリーマンショックよりも前から投資をやっているので、恐らく皆さんよりは痛い目に遭ってきていると思います。

リーマンショックの時、投資家の多くが痛い目に遭ったわけですが、私がもっともひどい目に遭っていると思います。

何故なら私は当時、「新光Wブル・日本株オープン」という投資信託を全力買いしていたからです。

自分で買っていながら今でもその仕組みは良く分かってないのですが、とにかく基準価格が日経225先物の動きの2倍相当の動きをするという投資信託だったのです。

どうしてそんなリスキーな投資信託を全力買いしていたか、なのですが、これも情けない話です。そもそもリーマンショックが起きる前年にサブプライムショックという株価の下落が起きているのです。

私はそのサブプライムショックの時も、ある2つの投資信託を持っていました。サブプライムショック以降、じわじわと株価は下落し続け、私の持っていた投資信託はあわせて300万円を超える含み損が発生しました。

それで2つの投資信託を投げ売って新たに購入したのが先ほどの新光Wブル・日本株オープンだったのです。リーマンショックの2ヵ月前のことです。

私は下がりきった株価がもうそろそろ持ち直すだろうと思っていたからこそ、この投資信託を買ったのです。冗談じゃなく、本当にそう思っていたのです。

株価が戻るスピードの2倍の勢いで基準価格が動くわけですから、含み損が早い段階で解消すると考えていました。だからこそ全力買いだったのです。

そうしたところが、あのリーマンショックです。

リーマンブラザーズ破たんからの1ヵ月は、自分が悪夢の中に迷い込んだようでした。日経平均はほぼ毎日500円~1000円の値幅を超える下降・上昇を繰り返す荒れようです。

あの1ヵ月の日経平均の値動きをリアルタイムで経験している我々にとって、2万円の日経平均が300円値下がりすることなんかとてもかわいいものなのです。

9000円の株価が一日で8000円になったりするわけです。それに伴い、私の新光Wブル・日本株オープンはその2倍の比率で変動を繰り返すのです。つまり私の投信の基準価格が1日で20%以上、上がったり下がったりするのです。

たった1日で私の資産が200万円増えたり減ったりするというスリリングな状態がほぼ1ヵ月以上続き、最終的に600万円を超えるマイナスになっていました。

リーマンショックの時に、わざわざ値動きの大きいWブルのような投信を全力買いしていた愚か者は私くらいのものでしょう。私一人だけが「リーマン・ダブル・ショック」を受けていたのです。

その時点でトータルの損失が900万円を超えた私ですが、その後、トリプルブルというさらにハイリターンな商品が発売されたおかげでなんとかマイナス570万円にまで回復しました。

私の投資の目的はお金を儲けることでも、企業を支援することでもありません。この残りの570万円を取り返すということのみです。それまでは死んでも死に切れません。

 

損を取り返すことが目的になっている個人投資家

【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

投資を指南する書籍にはよく「あなたは何のために投資をするのですか?投資の目的は何ですか?」といったようなことが書かれています。

私はこういった問いかけは無意味だと考えています。「あなたはなぜ食事をするのですか?」という質問に意味がないのと同じことです。

「投資の目的はお金もうけであり、利益額は多ければ多いほどいい」。それ以外にありません。お金をもうけたいと思うのは、資本主義の国に生きる国民の本能なのです。

投資家は「ひともうけしたい」と考えるからこそ市場に参加するのです。手持ちの貯金を1.5倍、2倍、3倍に増やしたいと思うからこそ投資をするのです。

「お金をもうけたい」という欲が投資を生み、企業の活動資金となり、経済が回るのです。投資家の欲が資本主義経済の根幹なのです。

ところが、個人投資家の多くがその欲を早々と失っている現実があります。

保有する株式や投資信託に含み損が発生すると、ただひたすら「元の値段に戻る」ことだけを願い、耐えるだけの日々を過ごしています。

含み益が発生している個人投資家はごく一部です。ほとんどの投資家は含み損を抱えています。それも何年にもわたって。

20年前からずっと損をしたまま一度も収支がゼロに戻ったことが無い、という投資家があまりにも多すぎます。彼らの夢は、もはや利益を出すことではありません。「損失を取り戻すこと」のただ一点のみです。

この「損失を取り戻したい」という欲求は精神的につらいものですが、「利益を出したい」という気持ち以上に「念が深い」感情だとわたしは考えています。

念が深いとはつまり「絶対に達成したいという気持ちが強い」ということです。

投稿者のカネまるさんが最後に「死んでも死に切れません」と語られています。逆に「投資で利益を出すまでは死ねない」という人はいません。つまり、失ったお金を取り戻したいという気持ちは、利益を出したいという気持ち以上に人に生きるパワーを与えるということです。

「株をやっている人はボケない」などと言われます。恐らく「損失を取り返したい」という気持ちは人をしっかりさせるのでしょう。

しかし私は決して「投資で損をすることは悪いことではない」と言うつもりはございません。

それは私自身が1000万円近い大きな含み損を抱えた経験があり、あのつらさからは早く抜け出したほうが幸せに決まっている、ということをよく分かっているからです。

損失を取り戻したいという気持ちは生きるためのパワーとなるかもしれませんが、それは負のパワーであり、決して精神衛生上よいものではありません。

含み損が解消することをひたすら待っているだけでは、投資家としての成長の機会が失われます。

含み損を抱えている個人投資家は「残ったお金をどのように運用すれば、含み損と同じだけの利益をあげられるのか」という視点で新しい投資手法にチャレンジするべきです。そのほうが含み損を早期に解消させる可能性が高く、投資家としての成長があります。