【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

当サイトへ投稿された大損告白の内容を見ていると、多くの方がどこかで「大勝負」を仕掛けています。

株であれば、不祥事を起こして急落した株に数百万円を投入するとか、東証一部よりも値動きの荒いマザーズ市場の怪しい株に大金を投入するといったことです。

FXであれば、アメリカの雇用統計が発表される寸前に数百万円でドルを購入し、レバレッジ(倍率)を高倍率に設定するなどです。

投資信託であれば、日本株3.5倍ブルや新興国株トリプル・ベアといったような、リスキーな商品に貯金の半分以上を投入するといったことです。

このような投資行動はギャンブル性が強く、仮に思惑通りにいけば確かに大きな利益をもたらしてくれることでしょう。しかし、常識的に考えれば避けるべき投資行動です。

しかし大損をしてしまう人は、総じてこういう「大勝負」に出ることに魅力を感じているように見えます。

確かに短期間で大儲けしたという話を聞くとうらやましく感じます。そういう話は聞きたくなくてもどこからか伝わってくるものです。

「営業の〇〇さんはUFJの株で大儲けしたらしいよ」「あの家の奥さんは株で儲けたお金でハワイに行ったらしいわよ」などといった話です。自分だけ聞かされると悔しいものだから、回りの人も同じように悔しがらせたい、という気持ちとともに広まっていくのです。

そういう話を聞かされた時は「ふ~ん。そうなの。」と冷静に聞き流すフリをしていながら、内心では歯ぎしりをして嫉妬してしまいます。株をやっている人ならなおさらでしょう。

しかし、そういった「遠くの誰か」が大儲けしたという話に嫉妬する気持ちは、個人投資家の冷静な判断を狂わせます。「自分だって」と勝手に闘争心を燃やしてしまい、知らず知らずのうちに「大勝負」に打って出てしまうのです。

こういう気持ちの高ぶりを感じた時こそ、投資家としての真価が問われます。そこで自分が決めたルールを無視して危険な賭けに出てしまうか、「他人は他人。自分は自分。」と自分を見失わない投資を続けられるかどうかです。

短期間で大きな利益をあげる人というのは、大きな損失も経験していることがほとんどです。500万円の利益を出したとしても、それまでに500万円の損失を出しているかもしれません。

投資とは関係ありませんが、アナウンサーの徳光和夫さんが競馬で大穴を当てて800万円を儲けたというニュースがスポーツ新聞の一面を飾ったことがありました。とてもうらやましいと思いましたが、のちに彼はテレビで「競馬にはこれまで2億円以上つぎ込みました」と語っていました。

UFJ株で大儲けした営業の〇〇さんは、もしかしたらまだ大きな損失を経験していないかもしれません。しかし短期間で大きな利益を出すような投資手法を取っているということは、今後、大損をして身を亡ぼす可能性が極めて高いと言えます。

1929年の世界恐慌に乗じて4000億円の利益をあげたジェシー・リバモアは、そのわずか5年後に破産しています。大儲けは大損と表裏一体です。

個人投資家にとって一番重要なことは、年間を通して銀行の定期預金に預けておくよりも自分の資産が増えていることであり、それを楽しみながら投資を生涯続けられることです。

その大切な投資人生を、遠くの誰かに嫉妬して破たんさせる必要はないのです。