(TDR700 33歳 男性 建設関係 徳島県)

 

投資で10年かけて100万円のリターンが得られてもあまり嬉しくない。

そもそも銀行の定期預金に預けておくのでは面白くないから投資に参加するのであって、投資に参加するからにはハイリターンが欲しい。

投資信託を買うことは、私にとっては競馬・競艇・競輪と同じこと。ギャンブルに他ならない。

2016年は年初から日経平均はじわじわ下げていた。トランプ大統領誕生の可能性がゼロではないと言われ始めたのが夏頃で、私は11月の大統領選挙までに日本株はさらに下がると読んだ。

日経平均の下げに大きく賭けるために最適な投資信託を探すと「SBI日本株3.7ベア」という商品があった。

日本の株式市場全体の値動きの3.7倍、“逆”に基準価格が動くという超リスキーな商品。つまり日経平均が値上がりすれば爆下げし、日経平均が値下がりすれば爆上げする投資信託だった。

私は8月にSBI日本株3.7ベアを1100万円分購入。あとは大統領選に向けて、世の中の不安が高まることを祈った。

ヒラリーとトランプは互角の戦いを続けた。トランプ優勢が伝えられると日経平均は下げ、私の買った投資信託は値上がりした。実に分かりやすかった。

しかし徐々にヒラリー有利との報道が勝るようになり、日経平均はじんわり上昇していった。それにつれて日本株3.7ベアの基準価格は購入時の4500円から3500円ほどにまで下がった。この時点で250万円ほどの含み損が発生していた。

当初は11月の大統領選の前に売却して利益を確定する予定だったが、250万円もの損失が出たまま確定させたくなくなった。

ところがそんな私に一筋の光が差してきた。FBIがヒラリーの私用メール問題を再捜査するというニュースが流れた。それを機に、トランプが勝つかもしれないという雰囲気が出始めた。

私は投資信託を売却するのを辞め、投信を保有したまま大統領戦の結果を待つという勝負に挑むことにした。

もしトランプが勝てば日経平均は爆下げする。それは私の日本株3.7ベアが超爆上げすることを意味している。

そしてトランプ大統領が勝利した。

ところが・・・。

世間の予想に反してニューヨークダウも日経平均も爆上げした。

トランプ相場と呼ばれた。ありえなかった。

私の投資信託は超の付く爆下げした。

それから半年以上塩漬けにしていたけれど、日経平均は順調のまま。日本株3.7ベアの基準価格が2000円を切った時点で我慢の限界を超え、売却することを決意した。

600万円を超える損失が確定した。

 

競馬・競輪・競艇よりも賭博性の高い投資信託の世界

【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

1頭の馬が圧倒的に人気で単勝オッズが1.1倍しかなかったとしても、私はそこに1千万円を賭ける勇気はありません。

馬券は紙屑になることを前提に購入するので掛け金も自然と小さいものになります。

ところが、これが投資信託となると人は判断を誤ります。

投資信託は馬券のように紙屑になるということはありえません。値下がりしたとしてもそのまま保有し続ければまた値上がりする可能性もあります。

レースが終わった瞬間に掛け金がゼロになる公営ギャンブルに比べると遥かに安全に感じるのも無理はありません。

ところがこの考え方が大損への第一歩となります。この油断が投資する金額を大きいものにしてしまうからです。

投稿者のTDR700さんは600万円の損失を出してしまいましたが、この程度の損失を出している人は珍しくありません。私も投資信託で1000万円の含み損を抱えたことがあります。

競馬は農林水産省管轄の公営ギャンブルであり、投資信託は財務省管轄の公営ギャンブルだ、と言う人がいます。私はむしろ、投資信託のほうが競馬や競輪よりも激しいギャンブルだと思っています。

投資信託というネーミングがよくありません。「誰かを信用して投資を託す」というこのネーミングはいかにも利益をもたらしてくれそうな感じがしてしまいます。

「絶対に増やしてあげるから僕を信用して1千万円託してみない?」と言われているニュアンスですね。

しかし投資信託は発売された時点で「どのような対象にいくらの比率で運用する」ということが決められていますので、「託す」という言葉から受ける印象とは大きく異なります。

投資信託を購入するということは、おでんで例えると、ちくわ・コンニャク・大根・牛スジを個別に買うのではなく、それら全てがダシと一緒にパッキングされたセットを購入するようなものです。

それなりにきれいにまとめられていておいしそうには見えるのですが、味のクオリティが高いかどうかは別の問題です。

目論見書を読み込んだうえで「この内容ならば大丈夫そうだ」と心から納得したうえであれば、その投資信託を購入しても構わないと思います。

しかし大半の人が、「大手の証券会社が販売する商品だし、イチオシ商品だから値上がりしそうだ。」というイメージだけで購入してしまうのです。

証券会社は投資信託の基準価格が下がっても損はしません。もちろん基準価格が上がって人気が出れば、新たな購入者が増えて手数料収入が増加するわけですので、上がることに越したことはありません。

しかし、基準価格が下がったとしても、新たな商品を作って、顧客をそちらへの買い替えを促すことで、新たに手数料が得られます。読者の皆様は、決して証券会社のカモにならないようにしてください。