【ファイナンシャルプランナー浅野】

 

株で損をし続けた人が「やっぱり素人はプロには勝てない」「資産運用はプロに任せるべきだ」と思考停止した結果、投資信託を購入する、という行動に出ることがよくあります。

そういう人々は、「投資信託」という四字熟語に「信用できるプロに自分の資産を運用してもらう」というイメージを持っているのでしょう。

ところが残念ながら、投資信託はそれほどのものではありません。買い被りすぎ(期待をかけすぎ)です。

投資信託というものは、例えばですが「日本株50%、米国債50%の比率で構成する」といったルールを決めてパッキング(詰め合せ)をした商品です。

その商品を選択した時点で、1年後のあなたの運命は決まったようなものなのです。日本株と米国債とともに心中することを決意したということだからです。

これを「運用」とはいいません。

運用というのは、日本株が有望な状況になれば日本株の構成比率を80%に引き上げたり、金融市場が混乱しそうな状況になれば全ての金融商品を手放して代わりに金(Gold)を購入する、といったように、状況に応じてやりくりすることを言います。

運用をプロに任せたい場合は、日興レジェンド・イーグル、BMCAPITAL、M&S、レッドキャピタルといった「ヘッジファンド」と呼ばれる会社にお金を預けるべきであり、投資信託にそれを期待してはいけません。

ただし、ヘッジファンドに運用を任せる場合は1000万円単位と言った大きな金額が必要となるうえ、運用益の20%程度の報酬を支払う必要があります。2%ではなく、20%です。これがプロに仕事を依頼する、ということです。

投資信託を購入するという行為は、ヘッジファンドにお金を預けるのとは全く異なります。

だから私は、「投資信託」というネーミング自体が個人投資家を惑わす詐欺行為だと考えています。わたしは「思考停止したい投資家のための金融商品の詰め合せ」というネーミングにすべきだと考えます。そうすれば誰も買わなくなるでしょうけど。

しかしそんな投資信託でも、購入手数料が3%プラス消費税と、高額だったりしますから驚きです。手数料が高いと利益が出る確率が高いのではないか、と錯覚してしまう投資家にも問題があります。

購入手数料が高い理由は、地方銀行の窓口などでも販売してもらうため、代理店手数料がかさむからです。代理店手数料が発生するのであれば地方銀行の行員が率先して勧めてくれるというわけです。

その証拠に銀行の窓口で「ノーロード」と呼ばれる手数料ゼロの投資信託を勧められることはありません。

投資信託は、金融業界が一丸となって個人投資家から手数料を巻き上げるための、よくできたシステムなのです。

1千万円の株をネットで購入しても手数料は千円ちょっとです。しかし同じ額の投資信託を購入すると手数料は30万円です。

それでも投資信託を買う人は後を絶たないのは、「自分の力で利益を出す自信は無くしたけれども投資には興味がある」という日本人が何千万人と存在するということかもしれません。

その何千万人という個人投資家が、自分が購入した投資信託の裏ではプロが脳をフル回転して運用益を出そうと毎日努力してくれているものだ、と勘違いしているのです。

投資信託は買ったが最後、どんなに基準価格が下がろうとも、販売した側は責任を追及されません。「この投資信託を選んだのはあなたですよね?目論見書も当然きちんと読んだ上で購入を決断されたのですよね?こういう結末を迎えることも予見できましたよね?」と言われて終わりです。

投資信託を購入する際に「目論見書を読み、同意ました。」と書かれた紙切れにサインをしつこく求められるのは、この責任の所在をハッキリとさせるためです。

投資信託とは「証券会社に運用を託す」ものではなく、「個人投資家に商品の選択を託す」ものなのです。それが分かったうえで購入するのであれば問題ありません。